監査法人と同様な組織的監査を三多摩の公認会計士が提供します

 

対象業務


三多摩(東京都の23区以外の地域)の独立開業した公認会計士から主に構成される武蔵野監査団は、以下の中小規模法人等に対する監査業務等を行います。監査団の特徴は以下の表のとおりです。

・医療法人

・学校法人

・社会福祉法人

・公益法人

・労働組合 

 専門情報

武蔵野監査団メンバーが提供する独自情報

社会福祉法人の財務分析

自法人の経営状態は他と比べて良いのかどうか知りたい

 社会福祉法人の皆さまは、自法人の経営状態が他と比べて良いのか知りたくなることがあるかと思います。しかし、統計データを検索してもなかなか良いものがヒットしません。我々会計士は以下のサイトをよく見ていますので、ご紹介いたします。

 

東京都福祉保健局

都内社会福祉法人の活動状況等の公表

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kiban/syakaihukushihoujin/katudoujyoukyou.html


色々と統計データがありますが、以下の都内社会福祉法人の財務数値の平均値等が特に特に役立つと思います。

●事業区分別平均値

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kiban/syakaihukushihoujin/katudoujyoukyou.files/rrrrrr.pdf

●施設の財務指標平均値

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kiban/syakaihukushihoujin/katudoujyoukyou.files/r04b4.pdf

●計算シート

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kiban/syakaihukushihoujin/katudoujyoukyou.files/06sheet.xls

●計算シートの解説

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kiban/syakaihukushihoujin/katudoujyoukyou.files/bunsekisihyo.pdf

 

日本公認会計士協会

 上記の東京都福祉保健局の財務分析の計算シートでも良いのですが、例えば、施設の将来の建替費用を十分に積立できているのかどうか等の財務分析のツールは用意されていません。このようなより詳細な財務分析が必要な方は、日本公認会計士協会が公表している「非営利法人委員会研究報告第27号「社会福祉法人の経営指標~経営状況の分析とガバナンス改善に向けて~」の改正について」が参考になります。

https://jicpa.or.jp/specialized_field/20180718gjj.html

 先ほどの「例えば、施設の将来の建替費用を十分に積立できているのかどうか」については、第27号報告書の本文の37/47ページの「正味金融資産額」、「積立率」の計算をする必要があります。

 

 もっとも財務分析は、適正な決算数値が前提となりますし、臨時的または異常な要因を排除することが必要な場合があることにご留意ください。

社会福祉法人の財務分析(東京都福祉保健局の統計データから見えてくること)

社会福祉事業といっても、介護、障害、保育など事業の種類によって財務状況はかなり異なります。

 

私見になりますが、概括的には以下のようなことが言えます。

 ・介護事業 稼働率を限りなく100%にしないと利益(経常増減差額)は黒字にならない状況。設備投資の状況 (減 価償却費率)にも左右されるが、「人件費率+委託費率」を75%以下に抑えないと利益を計上することは難 しい。入所施設の建替費用を積み立てたいが十分な積立ができておらず、昨今は設備投資の原資を借入に依存する比率も高くなっているため、債務償還年数が長くなりつつあり、借入金償還余裕率も高くなりつつある(注:債務償還余裕率は低いほどよい)。

 ・保育事業 資金の保有制限があるため、人件費等に支出する必要がある。介護などと比較して事業費の支出割合が低いため、「人件費率+委託費率」が75%を超えても利益(経常増減差額)を計上できる場合が多いが、派遣社員に依存する場合には赤字に陥ることも多いようである。

 ・障害者支援事業 介護、保育と比較すると、稼働率が低くとも利益を計上できることが多いもの、小規模グループホームのように、利用者が少ない一方で支援者(労働者)の24時間勤務体制が必要な場合などは固定費がかさみ赤字化することもある。

 ・救護施設(生活保護)事業 利用者の生活の場であり、高い稼働率の施設が多く、支援者(労働者)の勤務体制が安定化(残業なし)している施設が多いため、「人件費率+委託費率」を低く抑えやすく、経営が比較的安定している施設が多いようである。

社会福祉法人の財務分析(WAM(福祉医療機構)の財務指標も役立ちます)

 東京都福祉保健局の財務指標とは異なり、施設種類別の財務指標がかなり細かく示されています。

https://www.wam.go.jp/hp/guide-keiei-keieiqa-tabid-1976/


 財務分析では重要なことは、数値を入力して平均値と比較して、単に良し悪しを気にすることではなく、財務分析以前に、まずは、自法人の資金収支の状況(資金収支計算書)及び純資産の増減の状況(事業活動計算書)並びに財政状態(貸借対照表)そのものの数値を理解することが重要です。


 身近な例にたとえますと、親から引き継いだ住宅がなく住宅ローンを抱えている人と、親から住宅を無償で引き継いだ人とでは、稼ぎ方や稼いだお金の使い方は自ずと異なりきます。


 これと同様に、社会福祉法人でも置かれた状況はそれぞれです。自前の土地を持っている法人、新築の建物を所有している法人、建物の老朽化が進んでいる法人、自己資金が十分にある法人もあれば十分にない法人等々、置かれた状況が異なります。そのような特性を踏まえないと、単に平均値と比較してホッとしたり嘆いたりしても仕方ないのです。分析数値のどれが自法人にとって重要な指標なのか、自法人の財務状況の現状を知り、今後どのように法人の財務対策をどのような順番で変えていくべきか、といった考察が重要です。


 公認会計士武蔵野監査団の経験豊富な公認会計士は、法人の実情に応じた財務分析を行い、適切なアドバイスを行うことができます。財務状況の改善にお悩みの社会福祉法人の方々、医療法人の方々からのご相談を承ります。まずはお気軽にご相談ください。